SEO対策の歴史と今後のトレンド（2024年版）

SEO対策を学ぶことで、検索エンジンでの上位表示を目指し、ウェブサイトへのトラフィックを増やすことができます。

しかし、SEOの基本やトレンドを理解せずに取り組むと、効果が出にくいです。

そこでこの記事では、GoogleのSEOに関連するアルゴリズムがどのように変遷してきたのか、どのようにコンテンツを評価するのかについて解説し、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させるための方法を紹介します。

SEOは、GoogleやBing、Yahoo!などの検索エンジンにおいて、特定の検索クエリ（「検索語句」、「検索キーワード」とも呼ばれる）に対して自分のウェブサイトやページが上位に表示されるように最適化することを指します。
SEOの目標は、自然検索（オーガニック検索）結果の中で目立つ位置を獲得し、トラフィックを増やすことです。

それでは、検索エンジンとは何でしょうか？
検索エンジンとは、ユーザーがインターネット上で情報を検索するためのツールで、検索アルゴリズムを使って膨大なデータベースから関連する結果を表示します。
検索エンジンにはさまざまな種類があり、それぞれ異なるアルゴリズムを採用しています。
以下は、主要な検索エンジンの種類とその検索アルゴリズムの概要です。

1.1 Google

• 概要: 世界で最も利用されている検索エンジンで、市場シェアが圧倒的に高いです。多言語対応と豊富な機能で、多様な検索ニーズに対応しています。
• 特徴: 検索結果の質が高く、ユーザーの意図を正確に把握する能力に優れています。また、AIや機械学習の活用が進んでいます。

1.2 Bing

• 概要: Microsoftが提供する検索エンジンで、特に米国での利用者が多いです。WindowsやEdgeブラウザと統合されており、検索結果には独自の特徴があります。
• 特徴: Bingの検索結果は、特に画像検索やビジュアル検索での優れた機能が強みです。また、Rewardsプログラムを通じてユーザーに特典を提供しています。

1.3 Yahoo!

• 概要: 海外のYahoo!はBingの検索技術を使用していますが、日本のYahoo! Japanは、Googleの検索技術を使用しています。独自のユーザーインターフェースと機能を持ち、日本では特に人気が高くなっています。
• 特徴: ニュースやショッピング、オークションなどのポータルサイト機能が充実しています。

1.4 DuckDuckGo

• 概要: プライバシーを重視した検索エンジンで、ユーザーの検索履歴を追跡しないことが特徴です。広告やトラッキングを避けたいユーザーに支持されています。
• 特徴: プライバシー保護を前提としたクリーンな検索結果が魅力です。

1.5 Baidu

• 概要: 中国で最も利用されている検索エンジンで、中国語のコンテンツを中心にインデックスされています。中国国内のインターネット検閲にも対応しています。
• 特徴: 中国の検索市場を独占しており、中国語検索において非常に強力です。

検索アルゴリズムは、ユーザーのクエリに対して最も関連性の高い結果を提供するために使われるルールやプロセスの集合です。各検索エンジンは独自のアルゴリズムを使用しており、以下に代表的な検索エンジンのアルゴリズムを紹介します。

2.1 Googleの検索アルゴリズム

• PageRank: Googleの初期アルゴリズムで、ページのリンク構造を基にページの重要度を評価します。多くの重要なページからリンクされているページほど、価値が高いと判断されます。
• Pandaアルゴリズム: コンテンツの質を評価するアルゴリズムで、低品質なコンテンツやスパム的な内容のページを検索結果で下位に表示します。
• Penguinアルゴリズム: 不自然なリンク構築を防ぐためのアルゴリズムです。ブラックハットSEOによるリンク操作を排除し、質の高いリンクを評価します。
• Hummingbirdアルゴリズム: クエリの意味を深く理解し、キーワードの意味やコンテキストに基づいた検索結果を提供します。
• RankBrain: GoogleのAIシステムで、検索クエリの意図を理解し、結果をランキングするために使われます。特に曖昧なクエリや新しいクエリに対して有効です。
• BERT（Bidirectional Encoder Representations from Transformers）: 自然言語処理技術を使い、文脈やクエリ全体の意味を理解するためのアルゴリズムです。特に長文の検索クエリに効果的です。

※ Yahoo! JapanはGoogleと提携しており、検索結果と検索広告の技術をGoogleから提供されています。このため、Yahoo! Japanの検索結果はGoogleのインデックスとアルゴリズムに基づいて表示されます。

2.2 Bingの検索アルゴリズム

• PageRankの類似アルゴリズム: Bingもリンク構造を評価しますが、Googleとは異なるスコアリング方法を使用しています。ページの権威性や信頼性に加えて、ユーザーエクスペリエンスも重視します。
• ユーザーインタラクション: Bingはユーザーの行動データ（クリック、滞在時間、直帰率など）を重視し、検索結果の順位に影響を与える要因としています。
• 社会的シグナル: Bingはソーシャルメディアでの言及やシェアも考慮します。これにより、コンテンツの人気度や信頼性を評価しています。

2.3 DuckDuckGoの検索アルゴリズム

• 独自アルゴリズム: DuckDuckGoは独自のアルゴリズムを持ち、複数のソースから検索結果を集約します。特にプライバシー保護を重視しており、ユーザーの検索履歴や個人データを利用しません。
• Instant Answers: DuckDuckGoは、WikipediaやStackOverflowなどのデータベースから直接回答を提供する「Instant Answers」機能を持っています。

2.4 Baiduの検索アルゴリズム

• 中国語に特化したアルゴリズム: Baiduは、中国語コンテンツに最適化されたアルゴリズムを使用しています。中国特有の文化や法規制に対応した検索結果を提供します。
• 政府検閲: Baiduは、中国政府の規制に従って検閲された結果を表示します。したがって、他の国での検索結果とは異なる内容が表示されることがあります。

SEO対策の歴史とは、検索エンジンにおけるアルゴリズムアップデートの変遷とも言えます。

「Googleのアルゴリズム」は、年々進化しており、意図的な対策が通じなくなってきています。
Googleのアルゴリズムとは、ウェブページのランキングを決定するためのルールや手順の集合体です。このアルゴリズムは、ユーザーが検索結果で最も関連性の高い情報を見つけられるように進化し続けています。以下では、主要なGoogleアルゴリズムの進化とその影響について説明します。

Googleが登場した1998年当時、検索結果は主にページのコンテンツとリンクの数で評価されていました。特に、PageRankアルゴリズムが導入され、ページへのリンクの数と質がランキングに大きな影響を与えていました。この時期のSEOは、キーワードの埋め込みとリンク構築に重点が置かれていました。

Pandaアップデートは、低品質のコンテンツを排除し、高品質なコンテンツを優遇するために導入されました。このアルゴリズムは、コンテンツの重複や薄いコンテンツ、キーワード詰め込みのようなスパム的な戦略を取るサイトにペナルティを与えるものでした。これにより、コンテンツの質に対する関心が高まりました。

Penguinアップデートは、主に不自然なリンク構築に対処するために設計されました。リンクファームや有料リンクなどの不正な手法でランキングを操作しようとするサイトにペナルティを課すことで、リンクの質がSEOにおいてますます重要になりました。

Hummingbirdアップデートは、Googleが検索クエリ全体の意味を理解し、ユーザーの意図に合った結果を提供するために導入されました。これにより、単なるキーワード一致ではなく、文脈を考慮した検索が重視されるようになり、セマンティックSEOが台頭しました。

Mobilegeddonアップデートは、モバイルフレンドリーなサイトがモバイル検索結果で優遇されるようになったもので、モバイル最適化がSEOにおいて不可欠な要素となりました。この後、モバイルファーストインデックスが導入され、モバイル版サイトのパフォーマンスがランキングに直接影響を与えるようになりました。

RankBrainは、Googleが導入した人工知能（AI）ベースのアルゴリズムで、検索クエリの理解に機械学習を利用することで、より関連性の高い結果を提供することを目的としています。RankBrainは検索結果のランキングに影響を与える3つの最も重要な要素の一つとなり、SEOはユーザー体験とエンゲージメントにさらに焦点を当てる必要が出てきました。

2016年以降は、もう少し細かく見ていきましょう。
2016年以降のGoogleのコアアルゴリズムアップデートは、特にコンテンツの質、E-A-T（専門性、権威性、信頼性）、ユーザーエクスペリエンス、技術的SEOに重点を置いています。
これらのアップデートにより、SEOの戦略は単なる技術的な最適化から、よりユーザー中心のアプローチへと進化しています。

2016年以降の重要なコアアルゴリズムアップデートは以下のとおりです。

• 内容: Penguin 4.0は、Googleのコアアルゴリズムに組み込まれ、リアルタイムでの評価が可能になりました。これにより、ペナルティを受けたサイトは、改善後に速やかにランキングが回復する可能性が高まりました。
• 影響: 不自然なリンク構築戦略がより早くペナルティを受けるようになり、リンクの質に対する重要性がさらに増しました。

• 内容: 公式には名前が付けられていませんが、SEO業界では「Fred」と呼ばれるアップデートです。主に広告やアフィリエイトリンクが過剰に配置された低品質のコンテンツを持つサイトに影響を与えました。
• 影響: 広告やアフィリエイトサイトが対象となり、ユーザーエクスペリエンスを無視した収益重視のサイトの順位が下がりました。

• 内容: 2018年8月に実施された大規模なコアアルゴリズムアップデートで、健康、医療、フィットネス、ファイナンスなどの「YMYL（Your Money Your Life）」コンテンツに大きな影響を与えました。GoogleはE-A-T（専門性、権威性、信頼性）の評価基準を強化しました。
• 影響: 特に健康や医療に関連するコンテンツを扱うサイトが大きく影響を受け、信頼性と権威性が高い情報を提供することが求められるようになりました。

• 内容: 2019年3月に実施されたコアアルゴリズムアップデート。正式には特定の名前は付けられていませんが、Googleは通常のコアアップデートとして認識しています。
• 影響: 特定の業界やニッチ市場での影響が大きく、一部のサイトではトラフィックが急増または急減しました。

• 内容: Googleが事前に予告したコアアップデートで、特に医療や健康に関連するサイトに再び影響を与えました。また、E-A-T基準に基づく評価が引き続き重要視されました。
• 影響: E-A-T基準がさらに強化され、信頼性の高い情報提供が不可欠となりました。

• 内容: BERT（Bidirectional Encoder Representations from Transformers）は、検索クエリの文脈や意味をより深く理解するための自然言語処理アルゴリズムです。特に長文や会話型の検索クエリに対して効果的な結果を提供します。
• 影響: キーワードマッチングではなく、クエリの文脈や意図を理解することが重要になり、SEOにおいて自然なコンテンツ作成がさらに求められるようになりました。

• 内容: 2020年5月のコアアップデートは、広範な業界に影響を与えました。特に健康、金融、旅行、エンターテインメント分野で大きな変動が見られました。
• 影響: E-A-Tの重要性が再確認され、特に信頼性と権威性が高いサイトが優遇されました。

• 内容: 2021年6月と7月に2回に分けてコアアルゴリズムアップデートが実施されました。これらのアップデートは、特定のエリアや業界に影響を与え、広範な変動が確認されました。
• 影響: ページエクスペリエンスの重要性が増し、ユーザーエクスペリエンスがランキングに直接影響するようになりました。

• 内容: Core Web Vitalsは、ページの読み込み速度、インタラクティブ性、視覚的安定性など、ページエクスペリエンスに関連する新たなランキング要因です。これらの指標は、Googleのランキングに直接影響を与えます。
• 影響: 技術的SEOの重要性が増し、ウェブサイトのパフォーマンスやユーザーエクスペリエンスの最適化がSEO戦略の中核となりました。

• 内容: Helpful Content Updateは、ユーザーにとって有益なコンテンツを優遇することを目的としたアップデートです。SEO目的で作成された低品質なコンテンツや、AI生成コンテンツがターゲットとなりました。
• 影響: 本当に役立つ、ユーザー中心のコンテンツが求められるようになり、SEO対策としてのコンテンツ生成が見直されました。

• 内容: 2023年4月に導入されたレビューアップデートは、商品レビューの信頼性や価値に重点を置きました。質の高い、実際に経験に基づいたレビューが検索ランキングに影響を与えるようになりました。
• 影響: 詳細で信頼できるレビューが求められ、レビューコンテンツの質がランキングに重要な要因として取り入れられるようになりました。

2020年にGoogleアナリティクスは、従来のユニバーサルアナリティクスを進化させたGA4（Google Analytics 4）をリリースしました。ユニバーサルアナリティクスからGA4に変わってその特徴も変わりました。この変化を見れば、Googleが何を重視しているのかがわかります。以下は、GA4になって重視されているポイントです。

GA4は、ユーザーの行動を中心にデータを収集し、セッション単位ではなく、ユーザー単位での分析を重視しています。これにより、ユーザーの全体的な体験やエンゲージメントをより深く理解することができます。

• クロスプラットフォームトラッキング: ウェブサイトとアプリのデータを統合し、ユーザーの全体的な行動を把握します。
• イベントベースのデータ収集: 従来のページビューに加え、ユーザーのアクション（クリック、スクロール、ビデオ再生など）をイベントとして収集します。

GA4は、機械学習とAIを活用して、データからインサイトを自動的に引き出します。これにより、以下のような機能が提供されています：

• 予測分析: ユーザーの将来の行動やビジネス成果を予測するための予測指標（例：離脱リスクの高いユーザー、コンバージョンの可能性が高いユーザー）を提供します。
• 自動インサイト: データのトレンドや異常を自動的に検出し、通知します。

GA4は、プライバシー規制（例えばGDPRやCCPA）に対応するための機能を強化しています。これにより、ユーザーのデータを保護しながら、効果的なデータ分析が可能です。

• ユーザー同意の管理: データ収集に関するユーザーの同意を管理し、プライバシーに配慮したデータ収集を実現します。
• データ保持設定: データの保持期間を設定し、プライバシー保護を強化します。

GA4は、さまざまなGoogleの製品やサードパーティのツールと統合し、カスタマイズ可能なレポートやダッシュボードを提供します。

• Google Adsとの統合: 広告キャンペーンの効果を測定し、マーケティング活動の最適化に役立つデータを提供します。
• BigQueryとの統合: 高度なデータ分析やカスタムレポートの作成が可能です。

GA4は、ユーザーのエンゲージメントを深く理解するための指標やレポートを提供します。

• エンゲージメント率: ユーザーがどれだけ積極的にサイトやアプリと関わっているかを示す指標です（例：滞在時間、ページビュー数、コンバージョンなど）。
• ユーザーのライフサイクル分析: ユーザーの獲得からエンゲージメント、リテンションまでの全体的なライフサイクルを分析します。

GA4では、カスタムイベントの設定が簡単で、より詳細なユーザーの行動分析が可能です。

• イベントのカスタマイズ: ユーザーの行動に基づいてカスタムイベントを定義し、データ収集を柔軟にカスタマイズできます。

SEO対策に関係があるのは「エンゲージメント率」

上記のGA4が重視しているポイントの中で、SEO対策に大きく関わるのが「エンゲージメント率」です。エンゲージメントを詳しく掘り下げましょう。

エンゲージメント率は、ユーザーがウェブサイトやアプリでエンゲージメントを伴ったセッションを行った割合を示す指標です。GA4では、次の条件のいずれかを満たすセッションを「エンゲージメントのあるセッション」として定義しています。

• 10秒以上の滞在: ユーザーがページに10秒以上滞在した場合。
• コンバージョンイベントが発生した場合: 目標としたアクション（購入、フォーム送信、ダウンロードなど）が達成された場合。
• 複数ページ（またはスクリーン）を表示した場合: ユーザーが複数のページを閲覧した場合。

これらの基準を満たしたセッションの割合が「エンゲージメント率」として計算されます。

エンゲージメント率は、以下の式で計算されます：エンゲージメント率=(エンゲージメントがあるセッション数全セッション数)×100\text{エンゲージメント率} = \left( \frac{\text{エンゲージメントがあるセッション数}}{\text{全セッション数}} \right) \times 100エンゲージメント率=(全セッション数エンゲージメントがあるセッション数​)×100

つまり、全セッションの中で、どれだけのセッションがエンゲージメントのあるセッションと見なされたかの割合を示しています。

従来のUAでの直帰率（Bounce Rate）は、1ページのみを閲覧してサイトを離脱したセッションの割合を示していました。つまり、ユーザーがページにアクセスしてすぐに離脱すると直帰と見なされていましたが、GA4では「エンゲージメント率」という指標が、単純なページ離脱ではなく、実際にユーザーがサイトでどの程度関与しているかに注目しています。

このアプローチの違いにより、GA4では直帰率が減少していると感じる場合がありますが、これはエンゲージメントの視点が変わったためです。

エンゲージメント率は、ユーザーがサイト内でどれだけ関与しているかを測る重要な指標です。高いエンゲージメント率は、ユーザーがコンテンツに満足し、サイト内でアクティブに行動していることを示しています。具体的には、以下のことがわかります。

• ユーザー体験の向上: ユーザーが長時間滞在し、複数のページを閲覧したり、コンバージョンイベントを達成したりしている場合、それはユーザー体験が良好であることを示しています。
• コンテンツの有効性の測定: どのコンテンツがユーザーの関心を引き、どのコンテンツがパフォーマンスを上げているかを測定することにもエンゲージメント率は有効です。

エンゲージメント率を高めるためのいくつかの戦略を以下に示します。

• コンテンツの質を向上させる: ユーザーが長時間滞在し、アクションを取るような高品質のコンテンツを提供する。
• インタラクティブ要素を追加する: ユーザーが積極的にサイト内で行動できるような、クイズ、アンケート、コメント機能などを追加する。
• モバイル最適化: モバイルデバイスでのアクセスが多い場合は、モバイル対応のサイトデザインにする。
• ページの読み込み速度の向上: ページの読み込みが遅いと、ユーザーがすぐに離脱する可能性が高くなるため、読み込み速度の改善が重要です。

SEO対策は、検索エンジンのアルゴリズムを理解し、適切な施策を講じることが成功のカギです。

GoogleやBing、Yahoo!といった検索エンジンは、それぞれの特徴があります。本記事で解説した内容をもとに、検索エンジンごとの特性を理解し、効果的なSEO戦略を実践することで、ウェブサイトのトラフィック増加とビジネスの成長を実現しましょう。