近年、AIやSNSの台頭により、従来の検索エンジンでの「SEO対策はオワコン」「SEOは終わった」「SEOはなくなる」という疑問を持つ人が増えてきています。
たしかに、情報を調べたい時にInstagramやYouTubeなどのSNSを使用したり、検索エンジン上でも検索結果のサイトを見なくてもAIが答えてくれるようになっています。
しかし、本当にSEOはオワコンなのでしょうか?
結論から言うと、オワコンではありません。むしろWEBマーケティングの中では、優先して行うべき施策です。
この記事では、SEOがオワコンに見えてしまう原因と、どのようにSEOに対峙していくべきかを解説します。
SEOが「オワコン」「終わった」「なくなる」と言われる理由
SEO(Search Engine Optimization)は、長年にわたりウェブマーケティングの中心的な手法として活用されてきました。
しかし、その状況はかわりつつあります。以下では、SEO以外のホームページ流入媒体増加の問題と、従来のSEO対策は効果がなくなってきていること、そして元々のSEOの難しさという切り口で解説します。
1. 検索エンジン以外からのホームページへの流入が増えている
ソーシャルメディアの影響力の増加
かつて、ウェブサイトへのトラフィックを増やすための主要な手段としてSEOが注目されていましたが、現在ではソーシャルメディアが大きな影響力を持つようになっています。特にInstagram、YouTube、TikTokなどのプラットフォームでは、検索エンジンに頼らずとも多くのユーザーを獲得できるケースが増えています。
ソーシャルメディアの発展により、SEOの重要性が相対的に低下していると感じる企業や個人が増え、「SEOはオワコンだ」とする意見が強まっています。
AIと音声検索の台頭
AIを活用した検索技術や、スマートスピーカーによる音声検索が急速に普及しています。音声検索は、従来のテキスト検索とは異なる検索クエリを使用するため、SEOのアプローチが変わる必要があります。たとえば、音声検索では、より自然な言い回しや会話形式のクエリが使われるため、これに対応したコンテンツを作成しなければ、従来のSEO手法だけでは太刀打ちできません。
2. 「従来のSEO対策」が効かなくなっている
アルゴリズムの進化と検索結果の変化
Googleなどの検索エンジンのアルゴリズムは、年々高度化しています。特に、AI技術の導入や自然言語処理(NLP)の進化により、検索エンジンはユーザーの意図をより的確に理解し、最適な検索結果を提供できるようになりました。これにより、単純なキーワードの最適化やリンクの量に依存した従来のSEO手法は、効果が薄れてきています。
また、検索結果の上部に表示される広告枠(リスティング広告)や、Googleが提供する自動生成の情報パネル(例:ナレッジグラフやリッチスニペット)の増加により、オーガニック検索結果が目立ちにくくなっていることも要因の一つです。この変化により、SEOの価値が薄れていると感じる人も多くなっています。
コンテンツの質が最優先に
かつては、特定のキーワードにフォーカスしたコンテンツを大量に作成することで、検索エンジンでの上位表示を目指すことが一般的でした。しかし、現在のSEOでは「質の高いコンテンツ」が最も重要視されています。検索エンジンはユーザーが本当に求めている情報を届けることに注力しているため、ただのキーワード詰め込みや、表面的な内容のコンテンツは評価されにくくなっています。
質の高いコンテンツを作成することはSEOの基本であり、これ自体は重要な戦略であり続けます。しかし、単純なテクニックではなく、総合的なマーケティング戦略として捉えなければならない点で、従来のSEO手法が「オワコン」とされる原因とも言えます。
3. 元々のSEO対策自体の難易度の高さ
SEOは効果が実感できるまで時間がかかる
SEO対策はすぐに効果が出るものではなく、長期的な努力が必要です。このため、効果が実感できるまでに時間がかかり、意味がないと感じることがあります。SEOは、ウェブサイトのコンテンツや構造を改善し、検索エンジンのランキングで上位表示されるようにする取り組みです。検索エンジンのアルゴリズムは常に変化しており、効果が出るまでに時間がかかる場合があります。また、SEO対策の効果は、ウェブサイトの規模や競合状況、キーワードの難易度などによって大きく異なります。そのため、すぐに効果が出なくても、諦めずに継続することが重要です。
検索順位が不安定
Googleのアルゴリズムの変更によって検索順位が大きく変動することがあり、安定した流入を得にくくなっています。Googleは、ユーザーにとってより良い検索結果を提供するために、常にアルゴリズムを更新しています。そのため、SEO対策を行っても、アルゴリズムの変更によって検索順位が変動することがあります。しかし、検索順位が変動しても、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供していれば、長期的に安定した流入を獲得することができます。
アクセス数は増えても成約数が増えない
SEO対策に成功してアクセス数を増やすことができても、必ずしも成約や売上に直接繋がるわけではありません。SEO対策は、ウェブサイトへのアクセスを増やすための手段の一つです。しかし、アクセス数が増えても、ウェブサイトのコンテンツがユーザーのニーズと合致していなければ、成約や売上には繋がりません。そのため、SEO対策と同時に、ウェブサイトのコンテンツの質を高め、ユーザーのニーズに応えることが重要です。
本当にオワコンになっている意味のないSEO対策
上記のような状況下にはなっていますが、対策できる内容はもちろんあります。
ただし、以下のSEO対策は本当に意味のない対策で、「オワコン」ですので注意しましょう。
キーワード詰め込み
キーワードを過剰に詰め込むと、ユーザーにとって読みづらく、Googleの評価も下がります。キーワード詰め込みは、ウェブサイトのコンテンツにキーワードを過剰に詰め込む行為です。キーワード詰め込みは、ユーザーにとって読みづらく、検索エンジンの評価も下がります。そのため、キーワード詰め込みは避けるべきです。キーワードは自然な形でコンテンツに盛り込み、ユーザーにとって読みやすい文章を作成することが重要です。
低品質なコンテンツの量産
質の低いコンテンツを大量に制作しても、ユーザーに価値を提供できず、評価が下がることがあります。SEO対策では、質の高いコンテンツを制作することが重要です。質の低いコンテンツを大量に制作しても、ユーザーに価値を提供できず、検索エンジンの評価も下がります。そのため、質の高いコンテンツを制作し、ユーザーに価値を提供することが重要です。
被リンクの自作自演
自作自演の被リンクを多数実行するとGoogleにペナルティを受けることがあり、逆効果となる場合があります。被リンクは、他のウェブサイトから自分のウェブサイトへのリンクです。被リンクは、検索エンジンの評価を高める効果があります。しかし、自作自演の被リンクは、Googleにペナルティを受ける可能性があります。そのため、自然な方法で被リンクを獲得することが重要です。質の高いコンテンツを制作し、他のウェブサイトに紹介してもらうことで、自然な被リンクを獲得することができます。
SEOがオワコンではない理由
検索エンジンからの自然流入は今でも重要
SEO対策がオワコンと言われる理由は以下の3つであると記載しました。
- 検索エンジン以外からのホームページへの流入が増えている
- 「従来のSEO対策」が効かなくなっている
- 元々のSEO対策自体の難易度の高さ
このうち、1については確かにそうなのですが、それでもほとんどのWEBサイトは、今でも検索エンジンからの自然検索による流入が多いです。
そうでないWEBサイトは、WEB広告をたくさん配信している、テレビCMなどマス媒体の広告を多数使用している、SNSに相当なリソースを割いて流入数を稼いでいるなどのケースです。これらの施策は非常に多くのコストと社内リソースを使うことになるので、予算や人員をふんだんに使える企業でない限り難しい戦略です。
多くの企業は、費用対効果を考えると自然検索による流入を増やすのが最も有効な手段です。WEBマーケティングを総合的にコンサルティングしている当社でも、まずはSEO対策による流入増加を優先的に行います。その方が、中長期的に安定して事業を伸ばしていけます。
したがって、WEBコンサルティングの現場では、SEO対策は最も優先したい施策であり、まったくオワコンではありません。
SEO対策で流入数やコンバージョン数は増やせる
上記の2,3に付いては、それぞれ従来のSEO対策が効かなくなっている、元々のSEO対策の難易度の高さが問題ということなのですが、これらは克服することができます。
近年のSEO対策は以前と大きく変わってきています。数年前にSEO対策として有効だった施策を行っても成果が出ないので、従来の方法でSEOを行っている方にとってはオワコンに見えるかもしれません。しかし、現在のアルゴリズムに合った方法で正しくSEO対策を行えば、流入数はもとより、コンバージョン数も増やすことができます。
実際に、弊社のクライアントはSEOをメインにしたWEBマーケティングにより、売上を増やすことができています。
オワコンにしないためのSEO対策
エンゲージメント率を重視したSEO対策
近年、SEO対策においては、コンバージョン率の向上や平均滞在時間の長さが検索順位に影響を与える傾向が強まっています。そのため、ウェブサイト内でユーザーが目的を達成し、コンバージョンに至ることが重要となっています。
Google Analytics 4(GA4)では、これを「エンゲージメント率」という指標で測定しています。エンゲージメント率とは、ユーザーがウェブサイトやアプリにどれだけ積極的に関与しているかを示すもので、以下の条件に該当するセッションをエンゲージメントセッションとしてカウントします。
- セッションの滞在時間が10秒以上
- 2ページ以上を閲覧した場合
- コンバージョンが発生した場合
具体的な効果の出るSEO対策とは?
上記のエンゲージメント率を向上させるためには、以下のような対策が求められます。従来のSEO手法から進化し、より高度な戦略が必要とされる時代です。
1. セッションの滞在時間を10秒以上にする
ランディングページの魅力がカギとなります。ユーザーの検索意図に合致しない内容であれば、すぐに離脱される可能性があります。そのため、タイトルや冒頭文でキャッチーな表現を用い、記事の中で解決できる課題や提供する価値を明確に示すことが重要です。
2. 2ページ以上の閲覧を促す
ユーザーを無関係なページに誘導するのは避け、コンバージョンに直結する導線を作ることが求められます。例えば、高額な商材や検討に時間がかかる商品では、商品ページや事例紹介ページへの誘導が効果的です。また、ユーザーが関連情報をさらに求めている場合には、関連ページへのリンクを配置することで、複数ページを閲覧してもらいやすくなります。
3. コンバージョンを促す
コンバージョンのハードルを下げることが成功のカギです。問い合わせフォームや資料請求ページなど、コンバージョンへの導線がスムーズで分かりやすく、ユーザーにとって競合他社よりも優位性を感じられる内容を訴求する必要があります。
コンテンツマーケティングによるSEO対策
コンバージョン率は0.5〜8%とされていますが、アクセス数が少ない場合はコンバージョンも少なくなります。そのため、コンテンツマーケティングを活用して、サイト全体のアクセス数を増やすことが重要です。
特に競争が激しい業界では、人気のキーワードで上位表示を狙うのは大手企業に有利です。限られたリソースを持つ企業は、SEO対策としてコンテンツマーケティングを効果的に活用することで、コストを抑えつつアクセスを増やすことが可能です。
上記のエンゲージメント率のほか、以下のようなポイントに注意してコンテンツマーケティングを行いましょう。
1. ユーザーの検索意図に合ったコンテンツ作成
ユーザーが求めている情報を的確に提供することが、SEOにおいて最も重要です。検索意図に応じたコンテンツを提供することで、ユーザーの次の行動を促すことができます。
2. 行動を促すCTA(コールトゥアクション)の配置
適切なタイミングで次の行動を促すCTAを配置し、ユーザーが自然にアクションを起こせるようにします。具体的かつ直感的な表現で、ユーザーがクリックしやすいデザインを意識しましょう。
3. 信頼性の強化
顧客の声やレビュー、データやケーススタディを活用し、コンテンツの信頼性を高めることで、コンバージョン率を向上させます。
4. 逆算型のコンテンツ作成
最終的なコンバージョンをゴールに逆算してコンテンツを作成することが重要です。単に情報を提供するだけでなく、どのような流れでユーザーをコンバージョンに導くかを考える必要があります。
5. BtoBとBtoCに応じたSEO対策
BtoBとBtoCではターゲット層や購買プロセスが異なるため、それぞれに適したSEO対策が求められます。BtoBでは専門的な情報が重視され、BtoCではわかりやすく感情に訴えるコンテンツが有効です。
6. E-E-A-Tを意識する
信頼性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)を高めることで、サイト全体の評価を上げることが重要です。E-E-A-Tを高めることで、ウェブサイトの信頼性と権威性を高めることができます。そのため、E-E-A-Tを意識したコンテンツ制作を行うことが重要です。例えば、専門知識を持つ著者が執筆した記事や、信頼性の高い情報源からの引用などを活用することで、E-E-A-Tを高めることができます。
SEO対策がうまくいかない場合は方法を変えましょう
上記のように、SEO対策はオワコンではなく、むしろ戦略的に優先して実施していくことをおすすめします。
もし、上記のような現在のSEOに対応できていない場合は、この記事を参考に方法を変えてみてください。すでにSEOコンサルティング会社に依頼していて成果が出ていない場合は、弊社の方でどこに課題があるかをアドバイスさせていただきますので、お気軽にご相談ください。